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備後神楽とは

特徴

備後神楽は、広島県備後地方で舞われている神楽の総称です。

昔は太夫も多くおり、それぞれの地域で太夫が集まって舞っていました。現在は太夫が少なくなったため、備後広域から舞手が集まり、神楽奉納するようになりました。

元来は下記のように呼ばれていた神楽が集まり、昨今「備後神楽」とも呼ばれるようになりました。

 

  • 世羅(せら)神楽/世羅郡

  • 三谿(みたに)神楽/旧三谿郡・旧双三郡(三次市の一部)

  • 豊田(とよた)神楽/旧豊田郡(三原市付近)

  • 御調(みつぎ)神楽/旧御調郡(尾道市付近)

  • 豊栄(とよさか)神楽/旧賀茂郡豊栄町(東広島市豊栄町付近)

神楽の奉納

神楽の奉納は、主に各神社の例祭や行事、または新築祝いや家庭祭祀で行われています。場所は神社の神楽殿や拝殿、集会所、家の中など様々です。

神事式・能舞

備後神楽では、『神事式』に続いて『能舞』が奉納されます。

『神事式』

祭典に振りをつけたようなもので、「ご神儀」とも言われます。

 

下記のような順番で奉納していきます。

  • 清めの舞(きよめのまい)
    まず二人の社人により祓い清める舞です

  • 四人舞(しじんまい・よったりまい)
    五行の神をはじめ、八百万の神を勧請し、ついで中央の舞人により祝詞奏上にあたる申しあげを行います

  • 神舞(じんまい)
    御座舞いとも言い、舞い座を清める舞です。

  • 悪魔祓い(あくまばらい)
    猿田彦に扮した舞手が荒々しく舞い、悪魔祓いをします。


これらの内容については、神社または舞手によって様々です。例えば、荒神社のお祭りでは、「造花(天蓋)引き」や「勧請舞い」「剣舞い」などを舞います。

 

 

『能舞』
「天の岩戸開き」や「倭建」「大国主」など古事記に基づく物語、「宮本武蔵」や「大江山」「武夜叉姫」「鬼人お松」など約30演目あり、一時間から長いものは3~4時間にわたって演じられます。

備後神楽ならではの特徴

  • きりきり舞い
    侍が舞出をするときなどに、一点で力一杯何回転も回転します。

     

  • 語りの神楽・しゃべり神楽
    侍と家来(三吉)、または山賊同士等の掛け合いが、笑いあり歌ありと面白おかしく演じられます。方言やアドリブを用いながら、どれだけ観客を惹きつけるかも神楽人の力量を問われるところとなるわけです。
     

  • 衣装
    衣装は地味で、狩衣や格衣・千早にシャグマといった軽装です。同じ広島でも、千代田・芸北方面や石見系の神楽のようなきらびやかさはありません。
    姫の舞では、女性の着物を着て舞いますが、神楽で着た着物は縁起が良いとされています。
     


  • 面は木彫りで、面職人が彫ったものなどが用いられています。

     

  • 五行(ごぎょう)祭
    備後神楽の特徴のひとつに、五行祭(王子神楽)があります。これを昔は7~8時間通して舞っていました。今は省略して行うことが多くなっています。

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